平泉文化遺産センター(岩手県・平泉町)で、本学が再現した甘葛煎(あまづらせん)が展示されています。
(7月23日〜11月23日)

 

 平泉文化遺産センター(岩手県・平泉町)で開催されている世界遺産登録5周年記念特別展「仏国憧憬〜秀衡と義経、守るべき平泉の光〜」で、平成22年度と平成27年度に本学で再現した古代の甘味料「甘葛煎(あまづらせん)」が展示されています。
 この特別展は、約850年前に平泉で花開いた奥州藤原文化の衣食住と祈りをテーマに、同センターと毛越寺宝物館で開催されています。甘葛煎は、平泉で検出された食材を使った「平泉の饗宴料理」のコーナーで、かき氷と薯蕷粥(いもがゆ)の展示と本学の取り組みとともに紹介されています。
  場 所:平泉文化遺産センター(岩手県西磐井郡平泉町平泉字花立44番地)
  日 時:平成28年7月23日(土)〜11月23日(水)9:00〜17:00

−甘葛煎とは…?−
 甘葛煎とは冬季のツタの樹液を煮詰めてシロップにしたもので、古代に甘味料として使われていました。『枕草子』第四十二段には「あてなるもの(上品なもの)」として、「削り氷にあまづら入れて、新しき金鋺(かなまり)に入れたる(かき氷にあまづらを入れて、新しい金属製の鋺に入れたもの)」とあり、京都の貴族はかき氷に甘葛煎を入れて食べていました。また、芥川龍之介の『芋粥』で有名な薯蕷粥は、煮詰める前のツタの樹液(みせん)とスライスした山芋を煮たもので、高級なデザートでした。 甘葛煎は食する以外にも、お香を練る蜜の代わりとしても使われていました。

−本学における甘葛煎の再現−
 奈良女子大学では、これまで平成22年度、平成27年度と2度にわたり、大学構内のツタを使って甘葛煎を再現してきました。
 平成22年度に、組織的な大学院教育改革推進プログラム「女性の高度な職業能力を開発する実践的教育」(平成20年度から実施)に関連する授業において奈良を中心とした菓子文化を取り上げました。砂糖が一般的になる以前の甘味を追究し、大学院生の自主的な企画として古代の甘味料である甘葛煎を再現することにしました。その成果は本学のホームページ「幻の甘味料あまづら(甘葛)の再現実験」で公開しています。
 上の再現から5年が経過した今年、大学構内のツタも太くなってきたため、平成27年度文学部長裁量経費プロジェクト(代表 人文社会学科教授 山辺規子)「古都の菓子、甘味、甘葛煎の復元」の一環として、再度の実験を2016年1月14日に行い、甘葛煎を再現しました。
【参考】2016年1月の再現実験の様子 http://www.nara-wu.ac.jp/news/H27news/20160114/20160114.html

                                      
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