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ご 挨 拶
一般社団法人佐保会 理事長 野 口 哲 子
佐保会は、大正3年(1914)に奈良女子高等師範学校の第一期生によって発足した、奈良女子高等師範学校と奈良女子大学の同窓会です。昭和11年(1936)に社団法人の認可を受けて以来約76年の時を経て、平成24年(2012)8月1日より「一般社団法人 佐保会」として新たな歩みを始めました。
一般社団法人となった佐保会は、同窓会として会員が相互に助け合い、絆を深めることはもちろんですが、従来にも増して公益性の高い事業の実施が求められています。佐保会が掲げている公益事業の主なものは、奈良女子大学の学生への奨学金の授与、在学生と卒業生との交流会をはじめ母校へ支援をすること、研究会、講演会、文化講座などを開催して地域社会の文化の向上に寄与することです。地域社会に対しては主として佐保塾で、太極拳、コーラス、書道、古典講座を開催するほか、講演会、チャリティコンサート、史跡めぐりを行っています。講座によっては佐保会員より一般の方々の参加が多くなってきており、地域に定着しつつあることを喜ばしく思っています。
これらの事業の拠点となっておりますのは、昭和3年(1928)に先輩方の寄付によって建築され、平成18年(2006)から19年(2007)にかけて耐震補強など大修理をした佐保会館です。佐保会館は、古都奈良における和風の木造近代建築の特徴を備えた建物として国の登録有形文化財として登録されております。これを有効に活用し、しっかりと維持管理をし、今は少なくなりつつある昭和初期の木造建築物として、後世に残していくことも私たちの務めであると思っています。同窓生にも大学や地域の皆様にも気軽に利用していただけるようにしたいと考えています。
百年に亘り先輩方が培って来られた歴史と伝統は、幾多の変遷を経ながらも今なお佐保会にしっかりと受け継がれています。同窓会は、時代は違っても同じ学び舎で学んだ者同士、心の拠り所として共有できるものがあります。それらを次世代にうまく橋渡しできるよう、役割を果たしたいと思います。皆様のご支援、御協力をよろしくお願い申し上げます。