皆様、こんにちは。令和5年（2022年）発足した奈良国立大学機構環境安全管理センターの初代センター長を拝命している奈良女子大学理学部の片岡靖隆です。 私の専門分野は「有機金属化学」および「有機合成化学」で、遷移金属錯体触媒を用いた新しい有機合成反応の開発を目指しています。 「環境に調和した有機合成反応の開発」が私達の研究分野の旗標の一つです。 ところが、私達の通常の研究活動においては、数多くの化学物質を使用し、少なからず実験廃液を排出し、また、様々な実験装置や測定機器を使用することによって多くのエネルギーを消費しています。 「環境に負荷を与える」ことを行いながら研究活動を行っている、といっても過言ではないかもしれません。 それゆえに、本学のみならず世の中の環境整備などの諸問題に関して、積極的に携わっていく責任を有する者のひとりであることを強く自覚しています。
　本センターは、令和5年（2022年）に奈良教育大学と奈良女子大学が統合してできた国立大学法人奈良国立大学機構に直属し、両大学の教育研究活動における環境整備の維持・向上を目的として活動しています。 現在本センターには、化学物質管理部門、放射線管理部門、バイオハザード管理部門の3部門に加え、センター長直轄の4つのWG（実験系環境保全WG、環境安全管理センター安全教育WG、実験系産業廃棄物管理WG、実験系安全管理初動連絡体制運用WG）を有し、これらの部門やWGがお互いに連携しながら、両大学における「環境」や「安全」といったキーワードが関与する広範な事案を対象とする業務を行っています。
　平成23年（2011年）に、本センターの前身となる奈良女子大学環境安全管理センターが発足し、私は平成30年（2018年）より同センターの3代目センター長として奈良女子大学の環境安全に関する課題に取り組んで参りました。先人たちと一緒に奈良女子大学で築き上げてきた蓄積を発展させるとともに、奈良教育大学における環境安全対策の強み弱みを適切に把握することにより、新たに発足した奈良国立大学機構の安全衛生に関する課題に取り組んで参りたいと思います。私自身現役の研究者でもあります。常に現場の意見を大切にすることを肝に銘じ、本センターの活動を先導していきたいと考えています。　
　皆様、奈良国立大学機構の教育研究環境の維持・向上のために環境安全管理センターが果たす役割をご理解いただき、今後ともご協力ご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

環境安全管理センター長　　片岡　靖隆