おわりに
  今岡: 談論風発。いつまでも、お話していたいところですが、事務方がそろそろ時間だと合図を送っています(笑)。
今、国立大学は、法人化後の大きな変革の時期に入っています。大変だ、困難だ、などとつい嘆いてしまうことが多い日々を過ごしています。
でも、伊東さんのご活躍ぶりとか、この書物のような成果が、まさに「奈良女子大学」から生まれたのだと思うとなんだか嬉しくなってきます。

  伊東:そういう風におっしゃっていただけると、一層、この本を書いてよかったと感じます。
私に限ったことではなく、同窓生などに会うたびに、みんなすごいな、やはり奈良女卒だけのことはあるなあ、と感じることが少なくありません。

  今岡:そうなんですよね。さまざまな分野で活躍する卒業生が本当に沢山おられます。それもマスコミ的に目立つ「活躍」だけでなく、理系の企業での開発分野での貢献なども大きいですし、教員や公務員として日々着実に仕事に取り組んでいる人たちもいる。
そして、いわゆる専業主婦の立場におられる方たちも、さすがはナラジョOGと思うような、しっかりとした考え方やスタイルをもって生きておられる。そしてそこには、今日話題になった「文理両道」の資質を感じることも少なくありません。

  伊東:はい、そうですね。

  今岡:もちろん、科学的思考という意味では、文理を区別すること自体が不要な場合もあるでしょう。さらに、文系的な感性を忘れない理系、理系的なロジックを身につけた文系……などなど、「両道」といってもいろんな形があるでしょうし、そんなに簡単に両方を会得できるものでもありません。
しかし、奈良女子大学という大学は、学部編成のバランスがよい上に小規模ですから、文と理、双方の素養を身につけるチャンスが多い。また、国立大学ならではの少人数教育で専門性も深められる。さらに、「国のまほろば」である奈良の地にあるということで、ほんものの事物・知識や経験に触れる機会もふんだんにあります。
そういう本学ならではの実績や伝統を消すことなく、「奈良」にある、「国立」の「女子大学」だからこそできることをもっともっと追求して行きたい。それも、楽しく・明るく追いかけたいという気持ちがしてきます。
こんな気持ちになったのも、今日、本学出身ならではの独創的な活躍をされている伊東さんにお目にかかり、ゆっくりお話できたからだと思います。おかげで、本学の底力も再認識できたように思います。
本日は、お忙しいところ本当にありがとうございました。

  伊東:こちらこそ、お声掛けいただきありがとうございました。

 
平成27年8月31日 奈良女子大学学長室にて
 
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