本学の目標と事業計画
1 取組の趣旨

奈良女子大学は、平成24年度から3年計画で、「滋京奈地区を中心とした地域社会の発展を担う人材育成」事業に取り組んでいます。
この事業は、文部科学省「産業界のニーズに対応した教育改善・充実体制整備事業」の中で、京都・滋賀・奈良の全16校の大学・短大が連携して、産業界と協働した人材の育成に取り組む新たな事業です。
  ※連携事業
この事業を構成する4つのテーマ部会のうち、本学はテーマ部会C「キャリア形成カリキュラムの質的改善」のリーダー校として主導的な役割を果たすとともに、テーマ部会D「産業界等との連携ならびに実施推進体制」に参加します。小規模な大学単独では困難な事業に、他大学と連携して取り組みながら、次のように本学の教育の改善と充実を目指しています。

教育の「三本柱」
奈良女子大学は、国立大学法人となって以来、率先して特色あるキャリア教育に取り組んできました。本学の教育においてキャリア教育は、教養教育・専門教育と並ぶ三本柱として位置づけられ、ユニークな授業展開が高く評価されてきました。平成22年度からは新たに「統合キャリア教育」を提唱して、さらなる発展を目指しています。

  ※奈良女子大学のキャリア教育

統合キャリア教育とは
本学の提唱する「統合キャリア教育」とは、従来さまざまな角度から取り組んできた各種GP事業の経験や実績を活かして、教養教育・専門教育 ・キャリア教育の三本柱の有機的連携を高め、課外支援をも統合していく教育システムの構想です。
平成23年度から取り組んでいる中期計画において、本学は「新しい職業分野に対応できる人材を育成するため、キャリア教育科目等を充実し、かつ汎用性のある専門的能力等を培う教育を行う」ことを掲げています。このように統合キャリア教育は、単なる就職支援ではなく、本学の目指す人材養成を具体化していくための教育戦略にほかなりません。

  ※過去のGP取り組み一覧

統合キャリア教育のバージョンアップ
「滋京奈地区を中心とした地域社会の発展を担う人材育成」事業において、本学は京都・滋賀・奈良地域の産業界との意見交換や相互の働きかけを通じて、統合キャリア教育のさらなるバージョンアップに取り組んでいます。そのキーワードは「アクティブ・ラーニング(能動的学習)」と「産業界のニーズと学生の教育ニーズのマッチング」です。

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2 目標と特色

本事業の目標と特色は次の2点に集約されます。

目標1 新たな学び方としての統合キャリア教育カリキュラムの開発
教養教育・専門教育・キャリア教育のそれぞれに、新たな学習方法としてPBL(Project Based Learning)の手法を採り入れた授業科目を設定し、
学士課程におけるアクティブ・ラーニング(能動的学習)を主導する履修モデルを構築します。学生のキャリア形成を視野に入れた早期からの学習
サポートが、これを補完します。

目標2 産業界のニーズと学生の教育ニーズをマッチングした統合キャリア教育の体制整備
学習ポートフォリオを活用して学生の学習ニーズを柔軟に把握しながら、産業界のニーズや要望にも応えられる、授業開発の体制整備を行います。

次の図「新たな統合キャリア教育のイメージ」が、この事業の全体像を示しています。この取り組みを通じて、学生の教育ニーズや産業界のニーズ
を土台とし、アクティブ・ラーニングの教育方法を教育の三本柱の基礎とする、新たな統合キャリア教育が実現されます。

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3 実行組織

本事業は、全学的組織である「産学連携教育特別委員会」によって総括されます。この委員会の下に置かれる二つのワーキング・グループは、授業担当者や事業に関係する全学組織のメンバーで構成され、具体的な計画の遂行に当たります。事業期間終了後は、教育・学生支援関係の室を中心として継続的な取り組みが可能です。

産学連携教育特別委員会の構成
●委員長 教育・学生担当副学長
●委員  文学部長・理学部長・生活環境学部長
      教育・学生支援関係組織の代表
      (教育計画室・学生支援室・FD推進委員会・社会連携センター)
●特別委員会に置くワーキング・グループ … カリキュラムWG・連携体制WG

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4 実施計画

この事業の実施計画は、上記の二つの目標に対応して大きく二つの計画からなっています。これらの計画は、16大学・短大の連携事業全体の中で、本学が参加する二つのテーマ部会活動の一環として位置づけられています。

計画1 新たな学び方としての統合キャリア教育カリキュラムの開発

●計画1-1 職業意識の涵養に結びつく講義科目の質的改善
統合キャリア教育カリキュラムで最初に履修するリレー式講義科目について、産業界との意見交換を踏まえた質的改善を図る。
●計画1-2 新たな学び方としてのPBL(Project Based Learning)型履修モデル開発
PBLを今後の新たな学び方としてとらえ、教養ゼミ、専門ゼミ、英語科目やキャリア教育科目などに活用し、新たなアクティブ・ラーニングの履修
モデル構築を目指す。
●計画1-3 キャリア形成教育のピアサポート体制の構築
キャリア・アドバイザーの資格を持った職員により、産業界の意見や期待を踏まえて、学生の希望や専門性に即したキャリア教育履修プラン作成を
サポートする。

計画2 産業界のニーズと学生の教育ニーズをマッチングした統合キャリア教育の体制整備

●計画2-1 産業界のニーズに対応した授業開発の体制整備
産学連携的な専門教育科目、キャリア教育科目に、産業界との意見交換を積極的に活かし、科目の目的や特色をより鮮明にする授業開発の体制を整備する。
●計画2-2 インターンシップの充実
インターンシップの受入先との意見交換に基づく改善、受入先の新規開拓を行う持続的な体制を整備する。
●計画2-3 キャリア形成ポートフォリオを活用した学生のニーズ把握
試行中の「キャリア形成ポートフォリオ」(仮称)を、学士課程の希望者全員に拡張し、学習状況や能力獲得のバランス等を把握する体制を整備する。

さらに計画1-3と計画2-3を連携させることによって、課外活動や授業以外の学習も含めた、総合的な学習支援の仕組みを整えていくことが可能です。

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5 成果の公表

本事業の成果は、このホームページに設けられた「取り組み紹介」に掲載するほか、PBL型科目の実施報告書を刊行して、学外の方々や産業界の方々に積極的にアピールしていく予定です。

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