2018年度研究室メンバーのご紹介

水圏生態学研究室に所属するメンバーを紹介します。

教員

*メールにてご連絡の際は、メールアドレスの@を全角から半角に直してください。

教授  遊佐 陽一
メールアドレス:yusa@cc.nara-wu.ac.jp
研究領域:
生態学,行動学,進化学,遺伝学,応用動物学
貝類や甲殻類を中心とする淡水・海洋生物の生態と行動の研究を行っています。

現在は… 1)フジツボ類の性表現と矮雄現象
2)ウミウシ類における盗葉緑体現象
3)種間関係(間接効果や対捕食者戦略)
4)生物的抵抗を用いた外来種管理
5)スクミリンゴガイの性比変動と性決定機構
6)深海などの特異な環境に生息する動物の生態
などのテーマを扱っています。

学生

上から、回生・氏名、研究テーマ、研究テーマの紹介

D 3 熊谷 菜摘 スクミリンゴガイにおける性比変動 スクミリンゴガイでは、1つの卵塊から生まれた子のほとんどがメスである卵塊から、ほとんどがオスである卵塊まで、性比が卵塊ごとに大きくばらついています。ところが、集団の平均性比は1:1であるという特徴があります。この性比変動にはどのような適応的意義があるのか、どのような仕組みによって起こるのかを調べています。

M 2 一色 麻来 グッピーの捕食者存在下での産子調節 グッピーを用いて、捕食者に対してどのような反応を起こすのか、産子に注目して研究しています。特に捕食者のタイプによる産子調節の違いについてを明らかにしようと考えています。

M 2 清水 ミチル 陸水域における食物網と水質の関係 陸水域において、水生植物は水中の栄養塩(リン酸、硝酸)を吸収しています。そのため植食者の摂食により植物量が減少すると、栄養塩が増加し、富栄養化などが引き起こされます。ここに肉食者を導入するとどうなるでしょうか。このような食物網の間接効果による水質への影響を屋外実験系により調べています。

M 1 三藤 清香 嚢舌目ウミウシの寄生者・被食者との関係 体内に留めた藻類の葉緑体で光合成を行う「盗葉緑体現象」で知られる嚢舌目のウミウシですが、異なる栄養段階の生物との種間関係の研究例は少数です。本研究では、クロミドリガイと内部寄生者のコペポーダを用いて寄生者との関係を、コノハミドリガイとハネモ類を用いて被食者との関係を解明します。

B 4 藪田 美玖 寄生者が宿主の繁殖や生存率に与える影響 蔓脚類フクロムシ類は他の甲殻類に寄生し、多くの場合、宿主の繁殖能力を奪います。しかし、寄生者が雌雄同体動物の繁殖に与える影響についてはほとんど知られていません。そこで私は、イワフジツボ(宿主)とフジツボフクロムシ(寄生者)の両者に注目し、寄生率や宿主の繁殖について調べます。

B 4 梶本 麻未 フサフクロムシの生活史と性比の季節変動 カニやヤドカリなどの甲殻類に寄生するフクロムシ類には、季節ごとに生まれてくる子どもの性比が大きく変動する種があります。本研究では、毎月採集したヤドカリにどれだけフクロムシが寄生しているかを調査し、一年を通してのフクロムシの生活史と性比の変動を調べています。

B 4 廣瀬 未凪 嚢舌目ウミウシの走光性 嚢舌目のウミウシはエサである藻類から葉緑体を体内に取り入れ、光合成をする「盗葉緑体現象」で知られています。しかし砂浜にいるチドリミドリガイなどのウミウシは、せっかく太陽の光が当たっていても砂の中に潜っていたり陰に隠れていたりといった行動が見られます。本研究では、様々な光条件下で観察実験をしながら、このような行動の意義を明らかにすることを目指しています。

B 4 松岡 沙紀子 鯨骨上に生息するホネクイハナムシ(多毛類)の生活史について 深海の鯨骨に生息していて唯一飼育に成功しているホネクイハナムシの生活史を継代飼育によって調べ、成長や繁殖過程について詳しいデータを収集します。