研究室メンバーのご紹介

水圏生態学研究室に所属するメンバーを紹介します。
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教員

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教授  遊佐 陽一
メールアドレス:yusa@cc.nara-wu.ac.jp
研究領域:
生態学,行動学,進化学,遺伝学,応用動物学
貝類や甲殻類を中心とする淡水・海洋生物の生態と行動の研究を行っています。

現在は… 1)フジツボ類の性表現と矮雄現象
2)ウミウシ類における盗葉緑体現象
3)種間関係(間接効果や対捕食者戦略)
4)生物的抵抗を用いた外来種管理
5)スクミリンゴガイの性比変動と性決定機構
6)深海などの特異な環境に生息する動物の生態
などのテーマを扱っています。

学生

上から、回生・氏名、研究テーマ、研究テーマの紹介

M 2 三藤 清香 嚢舌目ウミウシの寄生者・被食者との関係 体内に留めた藻類の葉緑体で光合成を行う「盗葉緑体現象」で知られる嚢舌目のウミウシですが、異なる栄養段階の生物との種間関係の研究例は少数です。本研究では、クロミドリガイと内部寄生者のコペポーダを用いて寄生者との関係を、コノハミドリガイとハネモ類を用いて被食者との関係を解明します。

M 1 Ariana Flora Gaskin LIFE HISTORY PERFORMANCES OF TWO POMACEA SNAILS AND THEIR HYBRIDS Pomacea canaliculata and P. maculata are two species of apple snails that are invasive pests and cause significant agricultural damage worldwide. By studying the life character traits of these two species and their hybrid offspring, it will be possible to determine future threat of expansion into new regions

M 1 梶本 麻未 フサフクロムシの生活史と性比変動メカニズム ホンヤドカリ類に寄生するフサフクロムシでは、季節によって子の性比が大きく変動するといわれています。本研究では、季節ごとにフサフクロムシを観察し、生活史と性比変動について調べています。

M 1 鈴木 絵美子 タイワンシジミの雄性異体集団における繁殖 雌雄同体であるタイワンシジミは雄性発生をする種として知られています。しかし近年、雌雄同体と雄が共存する雄性異体集団が一部の地域で発見されました。この集団の雄がどのように繁殖しているのかについて解明します。

M 1 廣瀬 未凪 嚢舌目ウミウシの飼育系の確立と光行動 嚢舌目ウミウシは、餌である藻類から葉緑体を体内に取り込み、光合成をすることで知られています(盗葉緑体現象)。また、走光性や潜土などの光行動を示すことも分かっています。本研究では、チドリミドリガイ種群において飼育系の確立を試み、各成長段階での光行動など、詳細な光行動を明らかにすることを目指しています。

M 1 高橋 紗矢香 コツブムシ類における性表現 潮間帯に生息する等脚目であるイワホリコツブムシとナナツバコツブムシでは性比異常が示唆されていますが、性表現についての詳細な観察例はありません。そのため、実際に飼育し観察することで、性転換の有無などを調べています。

M 1 松岡 沙紀子 ホネクイハナムシの生活史について 深海の鯨骨に生息していて唯一飼育に成功しているホネクイハナムシの生活史を継代飼育によって調べ、成長や繁殖過程について詳しいデータを収集します。

B 4 青山 ゆう ヒメタニシにおける性比調節 ほ乳類や鳥類など、状況に応じて産む子の性比(オスの比率)を調節する生物がいますが、このような調節は軟体動物では知られていません。ヒメタニシは子を産み(卵胎生)、また近縁種ではZW(メスヘテロ)型性決定をする種が知られています。このような特徴は、メスによる子の性比の調節を容易にすると考えられます。そこで私は、ヒメタニシの性比調節が行われているかを調べています。

B 4 上原 春香 ハシボソガラス・ハシブトガラスによるスクミリンゴガイの捕食行動 在来種の野生生物(カラス)による学習や文化の伝播が外来種(スクミリンゴガイ)の侵入可能性や制御に影響するのかを最終的なゴールに据えつつ、まずは、捕食がみられる複数の場所でできるだけ多くの捕食行動を観察し、捕食方法や頻度などの地域変異について調べています。

B 4 壇辻 ゆりか ウスエボシ類の性決定 カニの甲殻に着生するウスエボシ類には雌雄同体と矮雄という2種類の性がみられ、雌雄同体と矮雄では、着生位置が異なります。本研究では、着生位置を操作することにより、ウスエボシ類の性決定様式の解明を目指すと共に、成長段階による性表現の可塑性について調査します。

B 4 橋添 なな実 深海性ミョウガガイ類の幼生生態 フジツボ類は親個体の内部で卵から孵化した幼生を保持したのち体外に放出しますが、その際、ノープリウス幼生で放出するか、より発生段階の進んだキプリス幼生まで保育し放出するかといった放出時の発生段階は、種により異なります。本研究では、フジツボ類の中でも特に深海性であるミョウガガイ類について、このような幼生生態を調べます。