中山 満子(なかやま みちこ)教授 博士(人間科学)

専門社会調査士
専門分野:社会心理学、実験心理学

学部学生の頃、心理実験の面白さにはまって、研究の道に進みました。研究テーマは変わっても、学部学生・大学院生の時代に身に着けた心理学の科学的・論理的な考え方や研究手法が役立っています。学生時代に基礎をしっかり身につけていれば、自力でそれを応用させることが可能です。学生のみなさんには、初めから狭い領域にとらわれずに、心理学の考え方、心理学の研究法をきっちりと学んで欲しいと思います。
さて私自身の研究テーマは、時代とともに人間を取り巻く状況が変わったときに、「変わるもの」は何か、「変わらないもの」は何かということです。例えば友達とのコミュニケーションをメールで行ったり、TwitterやLINEが主になったりする。そのとき、それによって変わっていく人間の心、それでも変わらない人間の心。そのあり様を明らかにしたいと思っています。

天ヶ瀬 正博(あまがせ まさひろ)教授 修士(文学)

専門分野:認知心理学

「自分は何者であるか。」青年はこの問いに向かう。心理学者エリック・エリクソンはこう言いました。若い頃の私に、その問いは、家族や恋人や友人や教師との人生のなかで投げかけられ、文学や芸術や映画や音楽を導きました。格差や差別、戦争や犯罪、環境の破壊や収奪をなくしたいという強い思いがその問いを促しました。それは、突き詰めると、「自分はどう生きるのか」「人間とは何か」という問いになります。人間が世界と自身を認識して生きることからこの問いを考える。それが認知心理学であり、私の専門分野です。
認知心理学はもっとも基礎的な心理学です。人間が世界と自身をどのように認識して生きるのかという、人間についての根本的な問いに対する一つの挑戦です。産業から教育や心理臨床まで、未熟な技術や思いつきを安易に振り回す前に、根本的に考えることが必要です。ヒロシマ(原爆投下)からフクシマ(原発事故)を経て、私たちはそのことを思い知りました。みなさんと、共に学び、共に考え、共に生きていきたいと思います。

竹橋 洋毅(たけはし ひろき)准教授 博士(心理学)

専門分野:教育心理学、社会的認知、モチベーション心理学

何かを成しとげる上で、あなたは何が重要であると思いますか。これまでの心理学の研究によって、動機づけ(motivation)が鍵となることが明らかにされています。動機づけは行動を起こし、継続するための心のエネルギーです。勉強、仕事、ダイエット、人間関係などの幅広い場面において、動機づけは重要な役割を果たします。動機づけを支える心理は、目には見えないので、誤解されがちです。科学に裏付けられた知見を理解することは、動機づけを高めたり計画を着実に進めたりする上で役立つと考えられます。
竹橋ゼミのテーマは「モチベーションを科学する」です。誰にでも夢や目標があるものですが、それらを達成することは難しいことが多いです。何故でしょうか?どうすれば上手くいくのでしょうか?子どもにどんな声かけをしたら、やる気は高まるのでしょうか?目標や計画の効果的な立て方とは?ゼミではこのような問いを中心に、様々な問題を扱います。興味のある方は、ぜひ研究室にお越しください。

狗巻 修司(いぬまき しゅうじ)准教授 博士(福祉社会学)

公認心理師、社会福祉士
専門分野:発達心理学、臨床発達心理学

人間は他者とのコミュニケーションを希求する生物です。他者と円滑にコミュニケーションをはかれない環境は非常に息苦しいものではないでしょうか。 人間のコミュニケーションへの欲求はまさに生理的な欲求であり,生後間もない乳児期から周りの環境にはたらきかけ,環境からのはたらきかけを受け入れることで人間の発達は促されるのです。
このような他者との円滑なコミュニケーションに困難を示すのが自閉症スペクトラム障害をもつ方々です。 私自身の専門は自閉症スペクトラム障害をもつ乳幼児の対人関係の発達について,特に養育者や保育者との相互交渉場面に着目し,そのスキルの発達について研究しています。 他者とのコミュニケーションに障害をもつとされる自閉症スペクトラム障害をもつ乳幼児がどのようなプロセスで対人関係を形成していくのかについて明らかにする中で, 人間が持つコミュニケーション欲求の根源について考えてみたいと思っています。

町田 奈緒士(まちだ なおと)講師 博士(人間・環境学)

公認心理師
専門分野:ジェンダー心理学、臨床心理学

作家の村上春樹は、「自己とは何か (あるいは美味しい牡蠣フライの食べ方)」というエッセイの中で、下記のようなことを著しています。
「自分自身については書くのは不可能であっても、たとえば牡蠣フライについて原稿用紙四枚以内で書くことは可能ですよね。……あなたが牡蠣フライについて書くことで、そこにはあなたと牡蠣フライとのあいだの相関関係や距離感が、自動的に表現されることになります。それはすなわち、突き詰めていけば、あなた自身について書くことでもあります。」研究活動とは、いわば「牡蠣フライ」であり、それを通じて「自己とは何か」という問いと取り組むことになると思っています。
私自身は、マイノリティとしての身体感覚・生活実感を持って生きている人の体験を解明することを通じて、自己をめぐる問いを考えています。

野上 慶子(のがみ けいこ)特任助教 博士(学術)

専門分野:発達臨床心理学、発達障害児家族支援

米国の大学に留学していた時より多様な文化が共存する社会の在り方に関心がありました。帰国後、国内の企業に勤務する中で、“生きづらさ”がある多くの社会人に出会い、発達障害に対して関心を抱くようになったことが、私の研究の出発点です。
15年間勤めた企業を退職し、大学院で心理学や特別支援教育を学び始めた頃は、発達障害等、多様なニーズのある子どもの行動支援を主に研究していました。しかし、臨床経験を経て、子どもの内在化問題や、親に対するサポートの重要性にも次第に着目するようになり、これらの研究領域について主に取り組むようになりました。
また、現在では、発達障害のある人の社会的自立や、オーストリアのグラーツ大学との協働で、ネガティブ感情や燃え尽き症状、ストレス対処力 (SOC)等に関する研究にも取り組んでいます。研究に取り組むことで、自分の世界観がどんどん広がることも研究の楽しさだと感じています。

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