野々山ゆか さん (平成28年3月総合心理学コース卒業)【家庭裁判所調査官】

私は家庭裁判所調査官として勤務しており、家庭の紛争や少年の非行などの家庭裁判所の扱う事件について調査し、今後の方針などを提案しています。
大学入学時は、困難な状況にある子どもに携わる仕事をしたいという漠然とした希望しかありませんでしたが、発達心理学や認知心理学、家族心理学など幅広い分野の心理学を学ぶ中で、希望が明確化されていきました。少人数制のゼミでは、幼児の観察研究を行い、観察結果をじっくり検討し、先生から丁寧な添削を受けることができました。職務においても、観察によって非言語情報を得ることが重要となる子どもの調査で、ゼミでの学びが生かされていると実感しています。
とはいえ、家庭裁判所の現場では、一つとして同じ事件はなく、個々の事案に応じた関与が求められ、難しさを痛感することもしばしばです。最善の関与ができるよう、自己研さんとして行動科学全般の文献を閲読する際にも、大学で学んだ統計や実験に関する知識が大変役に立っていると感じています。総合心理学コースで心理学の基礎から応用まで、しっかり学べたことは貴重な財産になっています。

遠山知恵子 さん (平成28年3月総合心理学コース卒業)【ゼブラ株式会社 グローバル調達開発部】

授業や実習を通して、実験・調査・観察などの様々な手法やデータの分析方法を学びました。実際に自分でとったデータを分析し、心や行動の一般的な特徴が見えてくるのは大変興味深く、楽しかったです。私は特に、社会心理学に興味をもち、集団の中で人がとる行動や心理に焦点をおいて、卒業研究を行いました。 なんといっても、奈良女子大学 心理学コースは先生との距離が近く、 ゼミは真面目ながらも和気あいあいとした雰囲気でした。もちろん質問や相談などもしやすく、卒業研究では何度も先生に相談してご指導をいただきました。
現在は、メーカーのグローバル調達課で、貿易実務やシステムの移管作業に携わっています。心理学と直接結びつく仕事ではありませんが、人間とは切り離せない“心”を扱う心理学の知識や考え方は、日常の中で活かされています。
また、社会で活かせるのは知識だけではありません。日々、大きな目標に向かって仕事をしていますが、予期せぬ問題が発生することも多々あります。 目的に向かってどうアプローチすればいいかを様々な角度から考え、うまくいかなくても分析してどうすればいいか考えられるのも、心理学を学び研究を進める中で鍛えられた思考力・問題解決力のおかげだと思っています。当時は意識したこともありませんでしたが、こういった「考える力」や「何度も試行錯誤することの大切さ」も、社会人になって強く実感しています。

磯上詩織 さん (令和3年3月心理学コース卒業)【奈良女子大学大学院 進学】

奈良女子大学の心理学コースでは、専門の先生がいらっしゃる社会心理学、認知心理学、発達心理学、教育心理学を中心に、心理学の基礎を幅広く学ぶことができます。本コースの特色は、心理学における理論の学習など知識的な学びに加え、実験や調査、観察を通した実践的な学びも充実している点です。このため、知識を基にしたこころの理解だけでなく、ひとの心について新たに知りたいことを探求していく研究の段階においても身に着けたスキルを活かすことが可能です。また、本コースは少人数であるため、先生に質問・相談がしやすく、疑問点や不安な点をすぐに解決することができるところも安心です。
私は大学に入学し心理学の学びに触れはじめたころ、それまでと異なる専門的な内容に難しさを感じることもありました。しかし、基礎的な内容の学習に始まり、実際にコース生の友人と一緒に実験に取り組み、論文の読み方や研究法なども先生から丁寧に指導していただきながら、徐々に成長していくことができました。また、集大成となる卒業研究では自分の好きなテーマを選択し、先生から専門的なアドバイスと手厚いサポートをいただきながら着実に進めることができました。ゼミ生同士で交流を深めながら、それぞれの興味のある分野について発表しあったり、意見を出しあったりするのはとても楽しく、勉強になりました。このように安心して学ぶことのできる環境で、たくさんの刺激を受け、勉強していく中で、人の心について学びたい、人の力になりたいという思いが明確になっていきました。現在は研究や支援における専門性を養うために大学院に進学し、考え方と健康やパフォーマンスとの関係について研究を進めながら、学習面や学校のことで悩みを抱えるお子さんへの支援を行うことを目指しています。

在学生の声

心理学コースでは、様々な分野の心理学について学ぶことができ、自分の興味関心に基づいて研究をすることができます。私は、人の心身の成長・発達過程や子どもに対する支援について興味があり、発達心理学・臨床発達心理学を専門とする狗巻先生のゼミに所属しています。学んで知識を得ていく中で、人に対する自分の今までの見方がいかに狭いものであったのか気づかされると同時に、新たな見方ができるようになったことで自分の成長を感じることもできています。ゼミは少人数制で先生は学生一人一人に気をかけ、丁寧な指導をしてくださっています。また学生同士も仲が良く、和気あいあいとした雰囲気でお互い助け合いながら研究を進めています。このような環境で研究できることにやりがいと喜びを感じております。
(2019年度狗巻ゼミ4回生)