奈良女子大学生活観光現代GP学生による設計・発信>奈良市の元最高峰・国見山を登る
はじめに 国見山 田原の里 最後に 参考

実際に国見山に登ってみて
矢田原町 標識 近鉄奈良駅バス停から下水間行きに乗車し、バスに揺られること30分ちょっと。バス停は最寄りの矢田原口ではなく、あえて2つ前の須山で降りた。

矢田原口付近 大きな道路

春日宮天皇陵(田原西陵)
少し歩くと春日宮天皇陵に着く。参道は綺麗に整備されているが、宮内庁の掲示がかかげられているのみで春日宮天皇とはどのような天皇か全くわからなかった。先導の先生に伺ったところ万葉集に和歌が載せられている志貴皇子の陵墓のようだ。なぜ皇子なのに天皇陵か調べたところ、志貴皇子の第6皇子が光仁天皇として即位したため春日宮天皇と追尊されたとある。陵墓のため、実現は難しいが志貴皇子の歌碑を設置したら参拝客も興味がわくだろう。
春日宮天皇陵(田原西陵)への参道

国見山登山口 県道福住矢田原線の坂道をしばらく歩いていると、うっかり通りすぎてしまいそうな国見山の登山口が見つかる。地元の方が整備されたのかコンクリートの道が続いている。

遠くに奈良盆地が見える 登っている最中に所々で美しい曲線を描く茶畑に遭遇する。時折、視界がひらけて遠くに奈良盆地が望める。
茶畑

山頂の木 頂上に生えている木にはいくつかの登頂記録や標高の書かれた札が付けられていた。山頂にはベンチとテーブルが設置されており、奈良盆地を望みつつ昼食をとる。

下の写真では鮮明に映らなかったが山頂に立つと眼前に奈良盆地が広がる。また奈良盆地には高層建築がないので向かいの山の全景がわかる。奥に見えるのは生駒山地と松尾山とおもわれる。 天気の良い日なら、とにかく山頂からの眺望がとても素晴らしい。

奈良盆地 遠景

山頂から長谷町のほうに下山していく。途中、奈良県指定文化財の「塔の森」へと寄る。

山頂から塔の森へはところどころ道なき道を進む。笹やぶ、倒木、急斜面がなかなか手強い。

道中、はっとするような優美な樹が現れる。
種類は分からないが 樹
塔の森 案内板の内容を全文転載
石塔 『県指定史跡 塔の森 (昭和二九年三月二日指定)

  塔の森は、海抜六六〇米に位置し、台座の上に初重塔身を含めて六重の笠石が重ねられた石造塔が残されている。
 石質は俗に春日石と呼ばれる軟質の凝灰岩で、風化破損が甚だしいが、周辺に散乱した断片を整理すれば、元の塔は二重基壇の上に建つ六角十三重塔と認められる。
 基壇・塔身には、蓮華文などの古式の装飾が見られ、奈良時代末から平安時代初期の製作と推定される。
この塔は、かつて付近にあった塔尾寺と関連する経塚的な供養塔ではないかとも考えられ、我が国現存の石造塔の中でも時代が古く、形式手法も他に類例を見ない貴重なものである。
奈良県教育委員会』
  石塔 蓮華文
だいぶ風化による損傷が激しいが基壇にある蓮華文や笠石の裏側の垂木のような彫りも確認でき、元は精巧な石塔であったことがうかがえる。石塔がある土地は周囲よりも小高い位置にあるが木々にかこまれ眺望はよくない。
下りの林道はよく整備されていて、歩きやすい道が続く。塔の森に比較的新しいお供えがあったことから、地元住民がよくお参りに来るのだろう。
少し下ったところにある日吉神社。社殿は小さいながらも格式高い厳かな雰囲気が漂う。他の田原地区の神社もよく似た建築方式だった。信仰の篤さを感じられる。
この日吉神社の石鳥居から先は斜面であるため参道が途中でなくなる。しかし石鳥居から覗く景色は向こうの山々の稜線が望め格別だ。