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学生企画プロジェクト : 自然の形

※ このページは、2018年度〜2020年度に実施した学生企画プロジェクト「自然の形」に参加した学生が作成していただきました。

自然科学とは主に、物理・化学・生物と分類されます。理学部は自然科学を探求するところですが、そこには数学科もあるように、数学も自然科学を記述する学問なのです。

植物に現れる数学の神秘

フィボナッチ数とは?

フィボナッチ数はイタリアの数学者レオナルド・フィボナッチにちなんでつけられた数のことです。そのフィボナッチ数を生成する数列の漸化式は次のようになります。

第0項目の0と第1項目の1を足したものが第2項目の1になり、第1項目の1と第2項目の1を足したものが第3項目の2になる。つまり、前の前の数字と前の数字を足したものが次の数字なるというのがフィボナッチ数列です。

黄金角とは?

フィボナッチ数列の漸化式について、第n項の数と第n+1の項の数をとっていきます。そして、項数nを無限に近づけていくといずれある数に収束します。それが黄金比です。

黄金比はギリシャのパルテノン神殿、ミロのヴィーナス像など、古代の歴史的な建築物や芸術作品に見ることができます。レオナルド・ダ・ヴィンチもこのフィボナッチ数列に隠れた法則性を発見し、「モナリザ」や「最後の晩餐」でそれを意識した構図の取り方をしていると見られています。
さらに、360度を1としたとき黄金比分の角度は137.5度になり、これを黄金角といいます。黄金角も自然の様々な場面でよく見ることができます。そのひとつが、「植物に現れるらせん構造」なのです。

ひまわりとまつぼっくりに現れるらせん構造

ひまわりのつぼみのつき方と、まつぼっくりの松かさのつき方にはフィボナッチ数に関係するらせんが現れます。このらせんは、らせんの数とらせんを描く向きの2つで特徴づけられます。まず、ひまわりのつぼみのつき方について見ていきましょう。
ひまわりのつぼみとは、花が枯れたあとに種ができる部分です。そこでは1つの個体に対して、数種類もの"らせん"を見ることができます。


このひまわりでは、らせんの数の最小がフィボナッチ数列の第7項である13であり、最大は第9項の34です。らせんの向きは、第7項目の13のときは左、第8項目の21のときは右、第9項目の34のときは左というように、らせんの向きは左右交互に現れます。
次に、まつぼくっりを底から見たときの松かさのつき方についても見てみましょう。


これも、ひまわりのときと同様にらせんの数はフィボナッチ数になっており、らせんの向きは交互に現れています。(なお、5本の次に8本ではなく13本のらせんの数が見られているのは個体差だと思われます。)
では、どうして植物はフィボナッチ数を採用したのでしょうか?この問いについて考えるヒントとして、数式処理ソフトMathematicaを用いたシミュレーションを行いました。

ある\(k\)番目の点を、任意に決めた中心から\( \sqrt{k} \)離れたところに置きます。\(k+1\)番目の点は、\(k\)番目の点から\(\theta\)回転させた中心から\(\sqrt{k+1}\)のところに置きます。この操作を\(1\leq k \leq n\)の範囲でくりかえします。ここでは、\(n=1000\)としました。
この理論をMathematicaにより実装した結果は右のようになります。


以上から、\(\theta\)が黄金角のときにつぼみが重ならずにつくことができると考えられます。また、実際のひまわりとまつぼっくりでも見られたように、個体に見られるらせんの数を順番に並べたときにらせんの向きは左右交互に現れることが実証されました。

互生植物に現れるフィボナッチ数と黄金角

植物は葉のつき方で分類することができます。それには大きく分けると互生と輪生の2種類あり、フィボナッチ数列・黄金角が見られるのは「互生植物の葉序」になります。

互生植物の葉序の特徴を用いて、「フィボナッチ分数」を定義します。これは個体によって異なる値をもち、\(360\times(フィボナッチ分数)\)とすることでその個体の葉の開度の理論値を求めることができるのです。フィボナッチ分数は 今回は、セイタカアワダチソウ、イヌマキ、ツツジについてそれぞれ3つずつ個体を採集し葉序を観測しました。 ここでは、0番から6番までの開度を測定し6つの値の平均値をとりました。その結果が以下のようになります。

ツ:ツツジ、セ:セイタカアワダチソウ、イ:イヌマキ。ツツジの2は\(2/7\)葉序であり、それ以外はすべて\(3/8\)葉序が見られた。

結果より、測定した開度は誤差の範囲内で理論値と一致していることがわかります。

ポスターにもまとめています。こちらは、「サイエンスフェア2020 in ひょうご」に出展しました。
Poster

物質は運動を記憶する

"亀裂"とは?

自然乾燥による亀裂への記憶効果の出現

記憶効果の実験

動画にもまとめています。こちらは、「サイエンスフェア2021 in ひょうご」に出展しました。