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算額にチャレンジ(解答編)

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ー問題3ー

半径5の円の中に正五角形が内接している。この正五角形の辺の長さaを求めよ。
答. a=5.8778・・・

ここでは江戸時代の方法と現代の方法の2種類の回答を紹介します。もしさらに他の方法で解いた方がいたら、ぜひ教えてください。

1つ目の解法:江戸時代の考え方

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図1-1

まず図1-1のように円の中にある正五角形を考えます。正五角形なので内角は108度。
これを利用すると角ACBと角CBFは36度であり$\triangle{BCF}$は二等辺三角形となります。また、角ABFと角AFBは72度であるので$\triangle{ABF}$も二等辺三角形となります。
よって、AC=a+t。
$\triangle{BCF}$と$\triangle{ABC}$はすべての角が等しいので相似になります。相似比を考えると、 \begin{align*} a:t = ( a + t ):a\\ t ( a + t )=a^2\\ a^2-at-t^2 = 0\\ \end{align*} これを解いて、$ t = \frac{\sqrt{5}-1}{2} a$
これを解いて、
$ t = \frac{\sqrt{5}-1}{2} a$
次に、$\triangle{ABC}$と$\triangle{BCD}$は合同だからAC=a+t=BD。三平方の定理を利用すると、
\begin{align*} BD^2=& BH^2+DH^2\\ BH^2=& ( a + t )^2-\frac{a}{2}^2\\ =& ( a + \frac{\sqrt{5}-1}{2} a )^2 - \frac{a}{2}^2\\ =& (\frac{\sqrt{5}+1}{2})^2a^2\\ BH=& \frac{\sqrt{5}+1}{2} \end{align*}
次に、円の中心をOとする。OBは周りの円の半径5と等しいからOH=BH-5。
$\triangle{OHE}$について三平方の定理を利用する。
\begin{align*} OE^2=& OH^2+HE^2\\ 5^2=& (\frac{\sqrt{5}-9}{2})^2+\frac{a}{2}^2\\ a^2=& 100-(\sqrt{5}-9)^2\\ \end{align*} これを計算して、a=5.8778825・・・
2つ目の解法:三角関数を利用した方法

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図2-1

正五角形の内角は108度であり、各頂点から円の中心を結ぶ線は角の二等分線となるから図で示した角は54度となる。
よって、正五角形の辺の長さは 5×$\cos{54°}$ ×2 となり計算すると a=5.8778525・・・