数学編のページ

知ろう!和算の世界!

奈良女子大学理学部自然科学考房では、2015年から中学生向けの科学イベントを主催しています。 自分で考えることを促すことで、科学に対する疑問や課題を持ち、さらには解決までの過程を自ら考え実行する、"プチ研究"をテーマにイベントを行なってきました。
今回は初めてWeb上で企画を開催します。ぜひ一緒に科学を楽しみましょう。

和算って?

江戸時代、日本では数学が大ブーム! その頃までに日本独自に発達した数学は和算と呼ばれています。 明治時代以降、使われなくなってしまったのですが、 最近、その文化や内容が素晴らしいって見直されています。 そんな和算の世界を私たちと一緒に覗いてみよう!

算額にチャレンジ

ここではいくつかの算額を紹介し、私たち学生スタッフが解答したものを紹介します。

問題1

この問題は『天地明察』の初めの方にでてきて、主人公がすぐには解けなかったにも関わら ず、天才の関孝和はすぐに解けてしまったという問題です。 『天地明察』は冲方丁さんが書いた歴史小説で、囲碁師・暦学者・和算家であった渋川春海 (本名・安井算哲)が数学を利用して暦を作っていくという物語です。本屋大賞を受賞し映 画化もされました。 物語としても面白いですし、数学の大切さがよくわかる本なのでぜひ読んでみてください!

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ー問題の訳ー

勾(短い辺)が九寸、股(長い辺)が十二寸の勾股弦(直角三角形)がある。 その内部に直径が等しい二つの円を入れる。その円の直径を問う。
問題2

この問題は、『算法少女』(作:遠藤)に出てくる問題です。 この本は数学が好きだったお父さんの影響で数学の面白さに気がついた主人公 ”あき”の日常を描いた物語で和算の知識がなくても楽しめ、実際江戸時代に和算がどのように使われていたかや市民にどのように考えられていたかがわかります。 小説は余り長くなくアニメ化もされているので是非読んで見てください。 小説の中でこの問題は、主人公”あき”が神社で大人の算法家の間違いを指摘した問題です。

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ー問題ー

図のように半径Rの円の中に直径を斜辺とする直角三角形ABCがあり、直角三角形に内接する円と、辺と弧に接する最大の円の半径が等しくrであるとき、Rとrの関係を求めよ。
問題3

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この問題は、岡山県片山子神社にある算額の問題です。この算額は1873年(明治時代のはじめころ)に奉納されたものと記録されています。 ちなみに大きさは162×88cmとかなり大きいことがわかります。

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ー問題ー

半径5の円の中に正五角形が内接しているとき、この正五角形の辺の長さaを求めよ。
問題4

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この問題は、岐阜県明星輪寺に現存する算額の問題です。この算額は1865年(江戸時代の末期)に奉納されたものと記録されています。 また、奥田津女という女性が出題したとされていてこの時代には珍しい女性が出題した問題です。

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ー問題ー

直径がAB=2Rの円に、中心をAとBとして半径がRの円弧を引く。そして半径R/2の二つの大円(あお色)、半径tの四つの小円(オレンジ色)、半径t’の四つの小円(きみどり色)でなる10個の円が図のように接している。この時t=t'=R/6を確かめる。
問題5

この問題は秋田県の熊野神社に1849年に奉納された算額です。現在は廃校となった近くの小学校に掲示されています。

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ー問題ー

半径rの円に三角形ABCが内接しています。頂点CからBCに垂線を引き交わった点をHとします。その時2rをBC・AC・CHを使って表してみよう。
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算木・算盤の紹介

算木や算盤は江戸時代から明治ごろまで広く使われていた計算道具です。 算木は6世紀から7世紀ごろに中国から伝わり、算盤は江戸時代に日本で生まれたものです。 このページでは算木や算盤の歴史と、その使い方について動画で紹介しています。

算木・算盤の歴史
算木・算盤の使い方

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