知ろう!和算の世界!

算額にチャレンジ(解答編)

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ー問題4ー

直径がAB=2Rの円に、中心をAとBとして半径がRの円弧を引く。そして半径R/2の二つの大円(あお色)、半径tの四つの小円(オレンジ色)、半径t’の四つの小円(きみどり色)でなる10個の円が図のように接している。この時t=t'=$\frac{R}{6}$を確かめる。
解法

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図1-1

まず、図1-1のようにBと半径tの小円(オレンジ)の中心と半径$\frac{R}{2}$の大円(あお)の中心を結ぶと直角三角形ができるので、三平方の定理が利用できる。
よって、 \begin{align*} (R-t)^2=& (t+\frac{R}{2})^2+\frac{R}{2} ^2\\ R^2-2Rt+t^2=& t^2+Rt+\frac{R}{2}^2\\ t=& \frac{R}{6}\\ \end{align*}
次に、図のようにAと半径t’の小円(きみどり)の中心と半径Rの大円(き)の中心を結んだ三角形を考え、図のように$\theta$をおく。

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図1-2

三角関数の性質より
\begin{align*} \cos{\theta}=\frac{t'}{R-t'} \end{align*} また、図の三角形に余弦定理を用いると \begin{align*} (R+t')^2=& (R-t')^2+R^2-2R(R-t')\cos{\theta}\\ =& (R-t')^2 + R^2 -2Rt'\\ R^2=& 6Rt'\\ t'=& \frac{1}{6}R\\ \end{align*}
※江戸時代の人は三角関数を考えずに初めから上の二番目の式を考えていたそうです!