人間科学科

「人間」そのものをアクチュアリティと
原理の双方において学び探究する

すべては「人間」への問いかけからはじまる

あなたは文学部で何を学びますか。まず考えられるのは「文学」や「言語」、あるいは「歴史」や「社会」かもしれません。でも、それら全てをつくり出しているのは「人間」です。その「人間」そのものを、私たちの現実に即して生き生きと、かつ原理的に深く学ぶのが「人間科学科」です。

あふれるモノに囲まれて豊かさと自由を享受しているはずが、一方でどこか息苦しさを感じたり、とつぜんなにもかも空しくなったりすることはないでしょうか。わたしたち「人間」はいったいなにを得てなにを失ったのでしょう。

また、そんななかでも、偶然出会った人から元気をもらったり、子どものようにからだを動かしてみることでこころまで開かれるように感じたりすることがあるのはどうしてなのでしょう。

なんでもないようにみえる問いも考えれば考えるほどいっそうわからなくなり、底の見えない無数の問いへと引き込まれて、途方にくれてしまうかもしれません。しかし、この「ワカラナイ時代」を生きる力は、中途半端にわかろうとすることからはけっして生まれてこないでしょう。ここにあるのは、「徹底的に迷う」ための「人間科学」の2つの処方箋(コース)です。

学科を構成している
コース

人間科学科では、
「人間」について、総合的に学ぶ教育学・人間学コースと心理学を中心として
学ぶ心理学コースの2つのコースを
設けています。
また、幼稚園・小学校教員養成のための
「子ども教育専修プログラム」を
おいています。

学科の特徴

  • 総合性と専門性

    教育学・人間学コースには複数分野があります。それらの分野と心理学のいずれかで集中的に科目履修して専門性を高めることも、様々な科目を組み合わせて履修し総合性を高めることもできます。

  • 多様な観点から人間、
    文化、社会を問い
    実践に結びつける

    哲学と倫理から、心理学、教育学、音楽教育学、身体文化学などの多様な観点から、現実の人間、文化、社会を直接問い、人々が共に生きることの実践に結びつけます。

  • 考え、確かめ、
    対話し、創造する

    学生が互いに発表と討論を行う授業を重視しています。原理からの演繹、日常生活や社会についての省察、仮説立案、資料収集やデータ分析、問題解決、論述を対話と協働によって行います。

特色ある活動

  • 日本において特筆される教育を実践してきた附属学校園、奈良女子大学教育システム研究開発センターと共に、教育実践や発達支援の研究をしています。
  • 学科プロジェクトとして「差異と交感の人間学」プロジェクトを展開しています。人間と社会に対して課題を見出す「まなざし」自体を問いながら、人間存在とその諸次元(=精神、身体、アート、社会、文化、歴史、超越的なもの、倫理、子ども、育ち、教育、ケア、多様性、インクルージョン、等々)について共同研究や公開討論会を行っています。
  • 奈良県/うだアニマルパーク「いのちの教育」に、公益社団法人Knotsと共に、研究協力しています。
  • 日本臨床発達心理士会奈良支部における研修に協力しています。
  • 奈良いのちの電話協会における研修に協力しています。