シンポジウム 「古文化財とタンパク質」

日時:平成24年3月17日(土) 13:00~17:00
会場:奈良女子大学文学系S棟235教室

【プログラム】

宋代の無文漆器について
 松尾良樹(奈良女子大学)

古代の絹の質量分析例
 河原一樹(奈良女子大学)

平城京出土の墨について
 小池伸彦(奈良文化財研究所)

平城京出土の墨の質量分析
 中澤 隆(奈良女子大学)

まとめと展望
 宮路淳子(奈良女子大学)




シンポジウム「古代の絹」(2011/11/12)

日時:平成23年11月12日(土) 13:00~17:00
会場:奈良女子大学文学系N棟101教室

【プログラム】

奈良県桜井市出土の絹資料について
 松宮昌樹(桜井市教育委員会)

古代の絹の質量分析
 中澤 隆(奈良女子大学)

考古資料にみる古代の絹
 岡田文男(京都造形芸術大学)

絹蛋白質の物理化学的基礎
 小林祐次(大阪薬科大学)

記念館一般公開 特別展示「奈良女子大学所蔵 正倉院模造宝物展」(2011/10/31~11/6)

記念館一般公開
日時:平成23年10月31日(月)~11月6日(日) 9:00~16:30
会場:奈良女子大学記念館

特別展示
奈良女子大学所蔵 正倉院模造宝物展
-吉田包春模造宝物正倉院宝物受贈記念展覧会-

受贈記念式典・記念講演
「正倉院宝物の模造と吉田包春」
日時:平成23年10月31日(月)
 記念式典:午後1時
 記念講演:午後1時30分~午後2時30分
会場:奈良女子大学記念館2階 講堂

講演者
奈良女子大学 古代学学術研究センター
 特任教授 松尾良樹
明日香村牽牛子塚古墳から出土した夾紵棺の科学分析(2011/09/10)

【プログラム】

牽牛子塚古墳出土の夾紵棺の製作技術
 宮路淳子(奈良女子大学)

質量分析により明らかになった夾紵棺断片中の絹
 河原一樹(奈良女子大学)

夾紵の塗膜分析
 岡田文男(京都造形芸術大学)


 奈良女子大学では、文化財に残るタンパク質の質量分析によって、材質や製法を解明する方法を究明しています。女子高等師範学校時代の教材として保管されてきた、明日香村牽牛子塚古墳から出土した夾紵(きょうちょ)棺片の分析例など、最新の研究成果を報告します。
シンポジウム「墨と膠」(2011/05/21)

日時:平成23年5月21日(土) 13:00~17:00
会場:奈良女子大学記念館2階 講堂

「宋墨の謎に迫る―新出土資料から―」
  松尾良樹(奈良女子大学)

「膠のコラーゲンから読み取る科学文化社会情報」
  中澤 隆(奈良女子大学)

「元興寺文化財研究所と膠」
  植田直見(元興寺文化財研究所)

「川面美術研究所と膠」
  多田牧央(川面美術研究所)


 中国の墨の最高峰は明末に造られた「明墨」とされてきました。近年それ以前の墨の状況が少しずつ判明してきました。本シンポジウムの前半では宋墨の謎に迫ります。  墨の製造や文化財の修復に不可欠の接着剤である膠。その製造が現在危機に瀕しています。シンポジウムの後半では、膠を使用し、製造の経験を有する二つの研究所の報告、最新の科学分析を通して膠について考えます。
シンポジウム夾紵(きょうちょ)(2011/01/22)

日時:平成23年1月22日(土)13:00~17:00
会場:奈良女子大学記念館2階 講堂

第一部
平成21年12月12日の「夾紵・乾漆」シンポジウムでは、
(1)「乾漆」は明治時代以後の新しいタームであり、実態を反映し歴史もある「夾紵」のほうがふさわしい名称であること
(2)牽牛子塚古墳出土「夾紵棺」には絹が用いられていること
の2点を明らかにした。今回のシンポジウムでは、その後の「牽牛子塚古墳」研究の進展、最新の科学機器を用いた「絹」の分析について報告する。

「奈良女子大学所蔵牽牛子塚古墳出土夾紵棺について」
宮路淳子(奈良女子大学)
「牽牛子塚古墳出土夾紵棺断片中の絹」
河原一樹(奈良女子大学)


第二部
阿修羅像を代表とする興福寺の八部衆、さらに十大弟子像は唐代に盛行した夾紵技法を今に伝える重要資料である。天平夾紵仏像の断片二点を材料に、科学分析と復元摸造から天平技術技法の秘密・阿修羅像の秘密に迫る。

「天平夾紵仏像断片の顕微鏡観察」
岡田文男(京都造形芸術大学)
「標準的夾紵技法による復元摸造」
矢野健一郎(仏師・東京藝術大学)
「楡(にれ)を用いた夾紵技法による復元摸造」
山崎隆之(愛知県立芸術大学名誉教授)


奈良女子大学特別講演会:講師Ada E. Yonath 博士 (2009年ノーベル化学賞受賞)(2010/12/11)


2009年のノーベル化学賞受賞者、Ada E. Yonath博士が、日本学術振興会「外国人著名研究者招聘事業」による大阪薬科大学の招きで来日され、本学は来る12月11日(土)にYonath博士の講演会を開催いたします。
Yonath博士はおよそ20年間にわたり、初めは専門家の間でも不可能と考えられてきた、タンパク質の製造装置であるリボソームという巨大なタンパク質とリボ核酸の複合体を結晶化したばかりでなく、その非常に複雑な構造をX線結晶解析により分子レベルで解明されました。研究の難しさもさることながら、研究成果がリボソームでのタンパク質の合成に関わる病気の原因究明やそれを治療するための薬の開発に大きく貢献した点が高く評価され、Venkatraman Ramakrishnan、Thomas A. Steitz両博士とともに受賞された2009年のノーベル化学賞の選考理由となりました。
こうした業績とは別に、女性のノーベル化学賞受賞者はYonath博士が4人目(最初が1911年のMarie Currie、二番目が1935年のIrène Joliot-Curie、三番目は1964年のDorothy C. Hodgkin)です。つまりYonath博士の化学賞は女性として45年ぶりになります。最初の2人が放射性同位体の発見と創成、次の2人がX線結晶構造解析で受賞ということで、いずれも放射線が関係しているのは偶然なのでしょうか。
今回の講演が奈良女子大学の学生・院生をはじめ、講演会の参加者の皆様によい刺激になることを信じております。


講演会解説パンフレット
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正倉院模造宝物受贈記念展覧会(2010/10/24 - 11/7)



国立大学法人 奈良女子大学

正倉院模造宝物受贈記念展覧会
I期 10月24日(日)~10月26日(火)
 午前10時~午後4時 奈良女子大学記念館2階講堂

II期 10月31日(日)~11月7日(日)
 午前9時~午後4時 奈良女子大学記念館1階第1陳列室
シンポジウム「中国の描金、日本の蒔絵」(2010/09/04)

中国描金漆器のさまざま」
松尾良樹(奈良女子大学特任教授)

「描金漆器の漆塗膜の分析」
岡田文男(京都造形芸術大学教授)

「蒔絵の技法」
田川真千子(高台寺掌美術館副館長)

コメンテーター:北村昭斎( 重要無形文化財保持者・人間国宝)
シンポジウム「墨」(2010/06/05)

「中国における明墨・清墨の収蔵と研究」
松尾良樹(奈良女子大学古代学学術研究センター特任教授)

「MALDI-MS法による考古資料に用いられた動物膠のコラーゲンの種の同定」
中沢 隆(奈良女子大学教授)

「和膠の再興を目指して」
山内 章(元興寺文化財研究所彩色資料修復室室長)

「考古遺物としての墨資料」
山路直充(市川市立市川考古博物館学芸員)

「天然フラーレン・墨・正倉院御物」
大澤映二(豊橋技術科学大学名誉教授)
シンポジウム「螺鈿」(2010/03/22)

「螺鈿四方盆・円盆の題材」
松尾良樹(奈良女子大学教授)

「貝のプロテオミクス」
中沢 隆(奈良女子大学教授)

「螺鈿漆器の損傷と修復」
北村繁(漆芸家・京都造形芸術大学講師)

「考古学からみたヤコウガイ」
木下尚子(熊本大学教授)
シンポジウム「膠(にかわ)が融合する文化財と自然科学」(2010/01/23)

「膠に関する中国文献」
松尾良樹(奈良女子大学教授)

「文化財としての膠の先端科学分析によって何がわかるか」
中沢 隆(奈良女子大学教授)

「仏像の造形に使われている膠の技法」
矢野健一郎(仏師・東京芸術大学講師)

「膠コラーゲンの物理化学的基礎」
小林祐次(大阪大学名誉教授)