2024年度の授業から
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担当教員 |
【教育史特殊研究】
教育史に関する論稿を、当該研究においてどこにあるどのような史料をいかに用いて執筆されたかに留意しながら読むことをとおして、教育史研究の方法について考察する。検討対象として、奈良女子高等師範学校の歴史にも関わる内容を扱った逸見勝亮「傷痍軍人小学校教員養成所の設立」、「戦歿者寡婦特設教員養成所の設置」、「戦歿者寡婦奈良特設幼稚園保姆養成所の歴史」、終戦直後の児童問題を扱った「第二次世界大戦後の日本における浮浪児・戦争孤児の歴史 」、「敗戦直後の日本における浮浪児・戦争孤児の歴史」をとりあげる。
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二井仁美
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【教育社会学特殊研究】
N・ルーマンの社会システム理論によれば、教育システムと芸術システムは近代になってそれぞれ全体社会から分化した機能システムと捉えられる。近代教育においては芸術との関わりがさまざまに模索されてきたが、システム理論の立場からは、そこに社会という媒介項を抜きにしては考えられない。この授業では、芸術と社会の相互関係について、主としてルーマン社会システム理論に依拠しつつ論じる。
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保田 卓
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【比較教育学特殊研究】
様々な国・地域の教育を研究し、その多様性と共通性を知ることを通して教育の本質を考察する。また、多様な世界の教育の背景でもありつつ、教育が作り出す文化的多様性を踏まえ、日本の教育の特性を考察する。
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小野寺香
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【社会教育論】
この講義では、“社会教育”に関するテーマを、語り(ナラティヴ)という観点から、大まかに(1)基本概念、(2)“実践”、(3)歴史、の三つに分けた上で、受講者とともに−ディスカッションとワークショップを大いに取り入れつつ−検討していく。なお、多くの映像資料等を批判的に検討してゆくための場も設けることで、“メディアと社会教育”についても理解を深める支援を行いたい。
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林 美輝
(非常勤)
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【教育学特殊研究】
本授業では、前半では障害をもつ子どもの教育の歴史を辿りながら、現代の教育的課題との連関について学ぶことを目指す。その際、奈良女子高等師範学校附属小学校「特別学級」から戦後の特殊教育への連続性(非連続性)に着目する。後半では学校資料、とくに奈良女子大学附属小学校所蔵の文書資料に着目し、同校資料の特徴のみならず、学校資料保存・活用の意義を学ぶ。さらに学校資料から研究課題を設定し、研究計画を立て、学校教育での活用のあり方についても考察していく。
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阪本美江
(非常勤)
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【音楽概論】
さまざまな音楽の構造や表記の理論を学ぶことを通して、音楽理論の基礎的事柄を習得し理解する。さらに、音楽理論の基礎的事柄に基づいて、多様な音楽文化がどのように誕生し発展したのか、その特質を深く理解する。これらのことを通して、音楽指導に関わる音楽聴取や、音楽表現、音楽創作ができるための音楽的能力の向上を図る。
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藤井康之
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【思想文化学特殊研究】
「哲学するアート」をテーマに、パブリックアートの歴史と現在に目を向けながら、そこに見て取られる哲学的問題について考えていく。授業は講義パートと実習パートのふたつの部分から構成される。講義パートでは日本におけるパブリックアートの歴史を辿り、初期の「彫刻のある街づくり」から近年の芸術祭・アートプロジェクトに至る流れや主要作品・施設のコンセプトを紹介・確認する。実習パートでは代表的事例や取組みの実地見学のほか、受講生による作品や施設の紹介・分析が中心となる。
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柳澤有吾 |
【身体文化学概論】
「身体」を通して社会を見るとどのような姿が見えてくるのだろうか。本講義では、新しい社会を見る入り口としての「身体」に着目し、そこからどのような社会や文化の姿が見えてくるのか、またその方法とはどのようなものかについて講義する。具体的には、映画や絵画などを中心としたヴィジュアル・カルチャー(視覚文化)を見て、そこに表現される身体について考察しながら、歴史学、社会学、人類学、文学など多様な領域にわたる身体文化学の諸理論を紹介してゆきたい。特に、ミシェル・フーコーとノルベルト・エリアスの議論を中心に紹介し、そこからさまざまに関連を広げてゆく予定である。
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鈴木康史 |