「魅力ある大学院教育」イニシアティブは、文部科学省が、現代社会の新たなニーズに応えられる創造性豊かな若手研究者の養成機能を強化するために実施する事業です。大学院における意欲的かつ独創的な研究者養成に関する教育の取り組みに対し重点的な支援を行うことにより、大学院教育の実質化（教育課程の組織的展開の強化）を推進することを目的にしています。
　奈良女子大学大学院の教育プログラム「生活環境の課題発見・解決型女性研究者養成」が選定され、平成17年度より実施されています。

教育プログラムの目的
　生活の場であるフィールドの中から、自ら主体的に、生活環境に関わる課題を発見して、その課題を解決し、質の高い生活を支える生活環境を構築することに資する創造性豊かで自立した女性研究者を養成することです。標準修業年限内での博士論文の提出と博士学位取得を目指します。

取り組み・計画の特徴

1. 修士論文や博士論文作成に向けたコースワークの充実・強化
   
   • 前期・後期両課程を通して、5つの科目群から成るカリキュラムを実施します。すなわち、従来の専門科目を細分化した【専門基礎群】【専門応用群】【論文作成】の3群と、研究者養成をサポートするために新たに設けた【研究マネジメント群】と【キャリア形成群】の2群です。
   • 博士前期課程においては、研究課題に応じて、「専修系コース(専門深化)／複合系コース(視野拡大)」からコースを選択できます。
2. 研究指導体制の強化
   • 前期・後期両課程を通じて、「複数教員指導体制」を活用し多角的な視点から確かな研究指導を行います。
   • 後期課程では「モニタリングシステム」や「博士論文執筆要領」によって、研究教育の進捗状況を把握し、博士論文作成に至るプロセス管理を実質化します。
3. 大学院生の自主活動支援の導入を含む研究教育支援環境の充実
   • 新たに「大学院生の自主活動支援」を導入し、意欲的でアイディアあふれる院生の研究活動を支援します。
   • TA・RA制度や附属学校園などこれまでの支援環境を積極的に活用していきます。

　【研究マネジメント群】では、研究のための課題発見・課題解決に関わる一連の研究能力を培うことを目的とし、【キャリア形成群】では、即戦力となるスキルや実践的な能力を育成すること目的としています。このように、授業科目を、5つの群に別けて組織化することにより、履修指導体制を確立するとともに研究指導体制を明確にし、生活環境にかかわる課題発見・課題解決型の質の高い研究を遂行できる、創造性豊かな自立した女性研究者の養成を目指します。