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活動状況

大学院生の自主企画研究セミナー

院生自ら企画運営する研究セミナーです。


ポスター(.pdf)
 
 セミナー(1)

「シルクロードのひとびと

  〜新疆ウイグルにおけるオアシスの生活と文化〜
日時 2006年 9月30日(土)13:00〜17:00
場所 奈良女子大学・大集会室(学生会館2階)               
登壇者 〜学外研究者からの話題提供〜
・堀   直(甲南大学文学部教授・中央アジア史)
・中川裕美(民族衣装研究家)−衣裳展示付き−     
〜学内研究者からの話題提供〜
・古澤 文(奈良女子大学・大学院国際社会文化学科・地域環境学コース)
・鷲尾惟子(奈良女子大学・大学院国際社会文化学科・地域環境学コース
−ピアノ実演奏付き−
シルクロードの要衝である中国・新疆ウイグル自治区に居住する人々について歴史的側面のほか、生業や衣服、音楽など、生活に身近な題材をもとに多角的に理解を深めていく。衣裳展示や実演奏もとりおこなう。
目的 シルクロードの要衝である中国・新疆ウイグル自治区に居住する人々について歴史的側面のほか、生業や衣服、音楽など、生活に身近な題材をもとに多角的に理解を深めていく。衣裳展示や実演奏もとりおこなう。
企画 鷲尾惟子ほか(本学大学院生)

<報告>
 今回のセミナーは新疆ウイグル自治区の人びと暮らしについて多角的に学ぶという主旨で実施しました。前半は、甲南大学の堀先生からは当地域の概要と文化のなりたちを歴史的な経緯に沿ってお話していただき、セミナー全体の輪郭を描いていただきました。服飾研究家の中川裕美先生には衣装・装飾品等の展示をしていただくと共に、色鮮やか様々な文様には水への憧れや人生哲学が表れているといったことを、実際に衣装を用いて解説していただきました。後半は院生による研究発表をおこない、古澤からは生業である農業の農地がどう変化しているのかについて、また鷲尾からは民歌曲という側面から地域性について発表しました。事前に新聞等への告知を行ったため一般の方からの参加を多くいただき、総合討論の場では様々な角度からの意見を聞くことができました。関心のある話題提供者からの話を身近で聞くことができ、且つ、自分自身の発表の場を設ける事ができたことは今後研究を続ける上での大きな経験となりました 。




(文責:国際社会文化学専攻 博士前期課程1年 古澤 文)


ドイツの創造的縮小政策 ポスター(.pdf)  
 セミナー(2)

「ドイツの創造的都市縮小政策」
日時 2006年10月28日(土)
場所 生活環境学部中会議室(大学院F棟2階)
講師 坂本英之 先生(金沢美術工芸大学教授)
趣旨 都市再生を掲げる日本の都市政策において、コンパクトシティ論は議論の中心であるが、実際どのように都市をデザインしていくかについてはまだ模索段階にあるように思われます。ドイツにおいては、今後の人口減少社会、経済の低成長などを予測し、都市は拡大へ向かうのではなく、縮小していくという現状を認識し、建築の減築、空地の緑化などポジティブに効率的な都市の再編を行っています。その取組みは日本においても参考になるかもしれません。現在のドイツの情況とその政策について詳しく話しを伺いたいと思います。
企画 日高 香織
<報告>
  人口減少化社会を迎える日本の都市政策は重要なテーマになっています。長年ドイツで都市計画、設計業務の現場に携わられてきた金沢美術工芸大学の坂本英之先生をお招きし、参加者には学外から建築、行政の実務に関わる方を交えてセミナーを開催することができました。最新のドイツの現状、ブラウンフィールドの再生、人口減少していく都市の住環境面の向上、市民と行政との協力の様子などについてのお話しを、多くのスライドとともに伺いました。ドイツと日本では制度面で大きな違いもありますが、「創造」という言葉通りにポジティブな政策の姿勢を伺うことができたと思います。
 

(文責/ 博士前期課程 人間環境学専攻1回生 日高 香織)



 
障害と家族 ポスター(.pdf)
 セミナー(3)

「障害と家族
  〜障害児とともに歩む家族の変容〜
日時 2006年11月25日(土)14:00〜17:00
場所 生活環境学部中会議室(F棟2階)
講師 加藤登美子(大阪堺ろう学校)
島田栄子(ろうの大学生をもつお母さん)
北村幸子(大阪AD/HDサポートグループ「BochixBochi」元代表)
趣旨 障害のある子どもたちが成長していく上で、家族の果たす役割は大きい。しかし、家族と研究の場との連携はこれまで十分ではなかった。現場のニーズを聞き取り、研究を現場に還元するために今回のセミナーを開催します。
企画 座主果林
<報告>
  今回のセミナーは、11月25日(土)14:00よりF棟生活環境学部中会議室で実施した。まず、障害をもつ子のいる母親として北村氏と島田氏からそれぞれ「ADHDの子どものいる家族のこれまでの変化と今」、「難聴の子どものいる家族のこれまでの変化と今」について生き生きとお話いただいた。さらに、長くろう学校に勤めた加藤氏に体験をふまえながら「障害のある子どもが成長していく上での家族の役割と学校に求められる役割」をお話いただいた後、全体討議を行った。参加者からは、生の声をきく貴重な機会になったとの感想が多数寄せられた。今回お話いただいた生の声を研究の場にどのように生かしていくかは、今後の課題としたい。なお、参加者数は、本学教職員3名、大学院生8名、学部学生2名、その他4名、合計17名であった。




(文責/ 人間文化研究科社会生活環境学専攻博士後期課程1年 座主果林)



 
倉吉のまちおこし ポスター(.pdf)
 セミナー(4)

「山陰、倉吉のまちおこし 12年の軌跡        
       −白壁土蔵を活用した赤瓦での歩み
日時 2007年2月2日(金)
場所 A棟 理学部会議室
講師 里見泰男  (株)まちづくり「赤瓦」常務取締役
目的  地方都市では、再生に向けてのまちづくりが様々な手法で行われている。地方都市の一つである倉吉市は、鳥取県の中心部に位置し、周囲を温泉地に囲まれた緑豊かなまちである。南北朝時代には打吹山に城が築かれ、城下町、陣屋町として発達し、政治、経済、文化の中心地としても栄えていた。現在もなおその面影が玉川沿いの白壁土蔵群や商家の町並みに見ることができる。
 しかし戦後の高度経済成長期、倉吉駅方面の道路沿いにスーパーマーケットなどの店舗が出現し、古い町並みを残す中心市街地はしだいに寂れていった。そこで平成4年から中心市街地の打吹地区の活性化を図るための活動が開始され、既存の土蔵を活用した拠点施設をつくることとなった。平成9年9月、まちづくり会社「赤瓦」が設立され、土蔵を活用した1号館をはじめとする商業施設が、2号館、3号館、5号館、6号館、7号館、8号館と順次再生され、現在7施設ほどできている。これらの土蔵を活用した拠点づくりによって、文化、伝統のある倉吉のまちが再び蘇った。
 今回は、倉吉のまちづくりのキーパーソンである、まちづくり会社「赤瓦」の常務取締、里見泰男氏に、「白壁土蔵のまち再生の軌跡」と共に、地方都市におけるまちづくりの問題点なども併せて紹介してもらう。
企画 柳井妙子 (社会生活環境学専攻 博士後期課程1回)

<報告>
 倉吉は山陰の中核都市として栄え、人口は約5万人で町並み、白壁土蔵群や自然が江戸時代から脈々と残っている。しかし郊外の大型店によって中心地の商店街が廃れてきた。まちづくり会社「赤瓦」は、平成4年から黒壁に何度も視察に訪れ、様々なヒントを得て平成9年に設立されたものである。自分たちでお金集めをし、周囲にある4つの温泉への年間200万人の観光客に目をつけ、生活文化の漂うまちづくりを開始した。
  この結果、最近の日経新聞の統計では、「行ってみたい蔵の町」として5位、「団塊の世代が行って見たい町」として3位となり、時がゆっくりと過ぎるようなまちづくりが行われている。今回は、倉吉がもっている生活に密着した自然、文化、歴史を活かしたまちづくりについての話しを伺った。
  またセミナー後、気軽に話せる交流会を行って参加者同士のネットワークが広がった。



(文責/ 柳井妙子(社会生活環境学専攻 博士後期課程1回)



質的研究への視座 ポスター(.pdf)
 セミナー(5)

「質的研究への視座 」
日時 2007年2月9日(金)14:00〜17:00
場所 奈良女子大学 生活環境学部中会議室
講師

田垣 正晋 先生 大阪府立大学 社会福祉学部
栗岡 幹英 先生 奈良女子大学 文学部

概要 セミナーの講師として、大阪府立大学、社会福祉学科講師 田垣正晋先生が、「障害者の心理社会的問題への質的研究の現状と課題:成熟期を迎えて」について、また、本大学、文学部 栗岡幹英先生からは、視点を社会学においた「薬害被害」についての発表をさせていただきます。田垣先生には、心理・福祉という視点から、いかに「障害」にアプローチされ、研究を重ねておられるのかをお話いただきます。各講師から約40分の話題提供をいただき、その後、院生達とのディスカッションを予定しております。同じ研究法を用いて研究をされている先生方が、異なる視点から、ある社会の現象に対して、どのような解釈・考察をされているのか、そこに、いかなる共通点や差異を見出すのかということを議論する中で、学際的な融合を目指したいと思っています。
企画 山本智子 人間文化研究科 社会生活環境専攻
<報告>
 ライフストーリー/ライフヒストリー研究を中心とした質的研究法について、具体的事例をもとに、心理学的視点、社会学的視点からのアプローチの方法を学ぶことを目的とし、講師に大阪府立大学から田垣正晋先生をむかえ、「障害者の心理社会的問題への質的研究の現状と課題:質的研究、成熟期を迎えて」について発表をいただいた。
  また、田垣先生ご自身の博士論文の構成、章立て、研究方法などをもとに、質的研究の現状と課題について議論された。具体的な内容として、1、これまでの研究の概要2.質的研究の方向性(何を障害としていくのか:既存のカテゴリーをくつがえすには)3.質的研究の方向性(プロセスの研究における認識の変容)4.質的研究の方向性(社会学、心理学、社会福祉学の各ディシプリンにおける質的研究の独自性を出すべきか、否か)。田垣先生の発表に対して、社会学的視点からの指定討論として、本大学 教員である栗岡先生から、本質に迫る議論が提示され、フロアも交えて活発な討論となった。
  フロアからの質疑応答では、「個性記述方法と法則定立的方法とを結び付けて考える場合の代表性や客観性とは何か」、「質的データのもつ多様な要因の同時的把握、要因間の関係性の力動的把握を最大限に生かすにはどうすればよいのか」など、研究の根幹に触れる質問が出され、研究への立ち位置や視点に対する多くの示唆を得られた。 


(文責/ 山本智子)



 
モンゴル ポスター(.pdf)
 博士後期課程・研究マネジメント群授業科目 
 「研究プロジェクト演習」受講生による企画


 「モンゴル民族の暮らし
    〜モンゴル遊牧の特徴と現状〜
日時 2006年10月29日(日)14:00〜17:00
場所 人間文化研究科会議室(F棟5階)
講師 小長谷有紀(国立民俗学博物館総合研究大学院大学 教授)
企画 「研究プロジェクト演習」受講生(5名)
<報告>
国立民族学博物館教授の小長谷有紀先生をお迎えし,モンゴル民族 の暮らしについてお話いただきました。可視的には分からない空間 的・歴史的変遷に着目し、「人と動物の関係」を軸とした講義を展 開されました。活発な意見交換が行われ、モンゴル民族の遊牧生活 の特徴、都市化・近代化に伴う生活の変容、日本とモンゴルの子育 ての現状、及び砂漠化等の環境問題と多岐にわたる議論となりまし た。また海外調査の手法や姿勢についても学ぶことができました。 参加者は38名で、企画者を含む学生、教員、学外参加者の方々それ ぞれに有意義な内容であったと思います。 本セミナーは,博士後期課程の授業である「研究プロジェクト演 習」受講生5名が企画しました。その特徴として、専門分野の異 なる院生がひとつの企画をつくりあげたこと、セミナー開催に向 けて、担当教員を交えた企画会議を計7回行ったこと、セミナー 終了後、報告会を学内公開形式により行ったことが挙げられます。 企画を進める中で、戸惑いや苦労も多々ありましたが、企画から当 日運営、報告会に至るまですべてを自分たちで行ったこと、またそ れに対して客観的な意見をいただける場を持てたことは、今後の研 究生活に向けて大きな財産となりました。       
( 博士後期課程 社会生活環境学専攻1回生  野村理恵)







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