留学体験記<イギリス>

国立レスター大学

日本に帰国してから早くも3ヶ月が経ち、レスターで過ごした日々を懐かしく思います。公園でのピクニックや、イタリア人がよく開催してくれた手作りピザパーティー、エッセイ提出前にいつも1日中こもっていた図書館、苦しみながらも頑張ったディスカッション、様々な思い出が蘇ります。

この1年間のイギリス留学は本当に多くの学び、気づき、そして変化を私に与えてくれました。今考えてみると、留学前の私は、くだらない価値観に縛られ、とても狭い世界で物事を考えていたように思います。留学中に様々な国の友達ができ、彼らと1年間過ごしたことによって多様な文化に触れ、自分の価値観や考え方が大きく広がりました。自分の“生き方”を考えさせられる出会いも多く、“自分らしく”いることや“今を生きる”ことの大切さを教えてもらいました。また、限られた期間の留学を有意義なものにしたいという思いから、何事にも積極的になったように思います。自分から人に声をかけるようにしたり、様々な課外活動に参加していく中で、知らない人の前で自分の意見を発言したり、新しい環境に飛び込んでいく度胸もついたと思います。自分の行動によっていかに可能性が広がるのか、ということに気がついたのもこの留学のおかげだと思います。

勉強面では、授業のシステムの違いや学生の勉強に対する姿勢の違いに驚かされました。日本の大学と違い、授業時間の少ないイギリスでは、授業は導入部分であり、残りは自学によって学習を深めていかなければなりません。大量にリストアップされた参考文献の中から、自分に必要な文献を探し、それをもとに予習、復習することが当たり前に要求されていたように感じます。専門分野に関する知識やそれに対する自分の意見をしっかりと持っている学生が多く、セミナーのディスカッションの度に自分の知識の少なさを痛感していました。受身ではなく自ら学ぶことの大切さなど、彼らから本来の学習のあるべき姿を教わったように思います。

この留学を通じたもうひとつの大きな気付きは、“日本の良さ”についてです。留学前は日本の生活や文化についてあまり深く考えたことはなく、どちらかというと日本の嫌な側面ばかりを見ていた気がします。しかし、1年間日本を離れたことで日本について考える機会が増えました。友達に日本について聞かれることが多く、そのように人から質問されることで今まで気にも留めなかった事に気が付くようになりました。そうした中で見えてきたのは日本の素晴らしさでした。四季を大切にする文化やその中で育まれてきた伝統の食や行事は世界に誇れる日本の宝だと思うようになりました。

留学中には楽しいことだけでなく、体調を崩したり、現地学生との距離を感じて落ち込んだり、他にも様々な壁にぶち当たって悩み苦しむこともありました。しかし、それを含めて(というよりむしろそれが)自分の成長に繋がる良い経験となったのだと思います。この留学は私にとってゴールというよりもスタートとなりました。レスターという素晴らしい環境で経験させていただいたことやそれによって得られた価値観や考え方を大切に、これからも日々自分らしく邁進していきたいと思います。