差異と交感の人間学

差異と交感の人間学

「差異と交感の人間学」プロジェクトとは

2003年度から2009年度まで7年にわたり人間科学科を中心に取り組んできた「子ども学」プロジェクトを継承し、さらに発展させるものとして、2010年度に新たなプロジェクトが始動しました。新プロジェクトは、「子ども学プロジェクト」の問題意識を受け継ぎ、対象に向けられた「まなざし」を問題にするところから出発します。

「ひきこもり」や「小1プロブレム」であれ、あるいは「高齢者問題」であれ、はじめからそれ自体として問題が存在するのではなく、それを問題視するだれかの「まなざし」があってはじめてそのようなものが存在することになるとすれば、一体なぜ、そしてどのような意味で「問題」とみなされるのか、という「まなざし」をめぐる問いを避けて通るわけにはいきません。

目に映るさまざまな物事がまさにそのように「見える」ということそれ自体をひとつの問題として捉え、そのようにしか見られない自分の「まなざし」の背後にあるものを反省するところから歩みを進めていきたいと考えています。

そうすることで、これまでは見えていなかったものが見えてきたり、思いもよらぬ連関や共通性が新たに浮かび上がってくることもあるかもしれません。事柄であれ人間であれ、違いやズレを排して無理やり単一のものにまとめ上げようとするのではなく、そのひとつひとつ、ひとりひとりが発する声に耳を傾け、その響き合いを大切にしていきたいという思いが「差異と交感の人間学」という名称には込められています。

「差異と交感の人間学」プロジェクトでは、こうした「まなざし」をめぐる諸問題を念頭に置きながら、人間存在とその諸次元(=身体、社会、歴史、超越的なもの、等々)に問いかけていきます。

研究グループ

現在、二つのサブグループが研究を進めています。

  • 「 <少年> 性の再生産」の研究
  • 「インクルーシブ:個別と普遍」の研究

シンポジウム・研究会など

各サブグループ内の研究会だけでなく、外部講師を招いての研究会、公開シンポジウムなども開催しています。

平成27年度の主な研究会

  • 平成28年2月20日 「インクルーシブ:個別と普遍」研究グループ主催
    研究会「なにが一緒で,どこが違う?--障碍児への支援について考える」

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